Image Inpainting for Paint Crack by Space Distance and Difference of Bilateral Filter
Hiromi Yoshida · The Journal of the Society for Art and Science · 2020
本論文では, 絵画表面に生じたクラックの仮想修復を目的としたインペインティングを提案する. 本研究のインペインティングが対象とする欠損は, 油彩画の絵具層に生じる損傷を模した欠損である. 具体的には, ひび割れを想定した広範囲・高密度の細長い欠損, 一定幅内の絵具の剥落・汚損を想定した欠損である. 従来研究において, これらの欠損を含む絵画画像を良好に補完できるインペインティングが提案されていた. しかし, この方式は補完用のテクスチャ抽出にDOGフィルタを用いることで, テクスチャだけでなくエッジ成分も抽出してしまうという課題があった. 本研究では, このテクスチャ抽出にDOB(バイラテラル差分フィルタ)を用いることで, テクスチャにエッジ成分が含まれる問題を改善した. さらに, そのテクスチャ選択の方法に空間距離に基づくインペインティングを応用することで, 補完に用いるテクスチャ選択はより高精度となった. 提案法の有効性は, 補完結果を2 種類のRMSEによって評価し, 色情報とテクスチャ情報の両面から定量的に確認した.