Studies on Vinyl Formate
Kiyoshi Fujii, Saburo Imoto, Takani Mochizuki, Junji Ukida, Masakazu Matsumoto · Kobunshi Kagaku · 1962
重合温度-78°~+120℃ の範囲でラジカル重合により得たポリギ酸ビニル (PVF) の性質を調べ, 密度, 二次転移温度, 溶解性, 溶液のゲル化速度などの諸性質が重合温度により著しく変化することを認めた。従来よりPVFはまったく非晶性のポリマーと考えられてきたが, 低温重合PVFは結晶性のX線回折図形を与えることが見出された。赤外線吸収スペクトルについても調べたが, 結晶化に伴って強度が変化するバンドが1420, 1272, 1026および924cm-1の位置に4本存在することが見出された。これら性質の差異はポリマー構造の規則性の変化に基くものと考えられるが, その一つとして立体特異性の変化があげられる。結晶性PVFは5.0Å の繊維周期を示す事実は立体規則性の向上はシンジオタクチック構造の増加に基くものであることを強く示唆するものと考えられる。