The influence of autism tendency on the modulation of time perception by operated internal model
Maki Uraguchi, Hideki Ohira · The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association · 2020
人間の時間知覚は予測的処理により創発されると考えられる。時間知覚が内部モデルによる予測と外部感覚刺激の予測誤差を縮小するように変容するという仮説を検討した。大学生60名に,500 Hz純音の聴覚基準刺激600ミリ秒と比較刺激425,476,535,600,673,755,847ミリ秒の異同を報告させる時間汎化課題を実施した。課題前半は,847ミリ秒(長時間群)あるいは425ミリ秒(短時間群)の比較刺激の提示頻度を他の刺激の6倍とし,後半はすべての比較刺激の提示頻度を均等とした。基準刺激の内部モデルを反映する主観的基準値は,課題前半,長時間群では長方向,短時間群では短方向に,後半は中央値方向に変化し,仮説は支持された。さらに,自閉症傾向が内部モデルの操作による時間知覚の変容に影響を与えるのかを探索的に検討した。臨床的カットオフ値を超えた被験者の主観的基準値には,上記の典型的傾向から逸脱する,特異的な結果がみられた。内部モデル更新など予測的処理そのものが障害されている,内受容感覚の低さなどが予測的処理を修飾している,などの可能性が考えられる。より大きなサンプルサイズでの検証が必要である。