The Effect of Planning Negotiation System based on a Machidukuri agreement
Chie Nozawa, Kanako Kumagai, Hideki Koizumi, Junichiro Okata · Journal of the City Planning Institute of Japan · 2003
近年、緩い法規制による土地利用の混乱や住環境の悪化を防ぐために、地区の特性や実状を柔軟に反映できるまちづくり手法として、住民同士や住民組織等と自治体等との間で締結する「まちづくり協定」を締結する地区が増加している。今後もまちづくり協定の策定地区の増加が予測される中で、策定後も住民組織自らが建築・開発行為者との計画協議を行うなど、住民組織による住環境の管理活動による社会的・実態的な規制力の強化がまちづくり協定の実効性の向上に重要な役割を担うと考えられる。本研究では、まちづくり協定を締結し、住民組織による住環境の管理活動が活発な神戸市深江地区を対象に、まちづくり協定に基づく計画協議の実効性と課題を明らかにすることを目的に、まちづくり協定に基づく計画協議の運用実態の分析を行った。その結果、(1)計画協議における調整状況からみた実効性に関しては、建築・開発行為者による協定運営委員会への届出はおおむね遵守され、協議にかかった案件の約9割で最終的に協議が整っていたこと、(2)計画協議の反映実態からみた実効性に関しては、壁面等の位置の制限・荷さばき等の駐車用地の設置といった届出時の図面等で確認できる事項については、まちづくり協定による規制のみで十分な実効性があり、緑化推進、駐車場の出入り口等の位置、建物管理等の建築物以外の事項については、まちづくり協定による規制に加え、建築・開発行為者と協定運営委員会との間で直接、計画協議が行われることで、質の向上や地域住民のニーズに対する反映に実効性が見られたこと、(3)協定運営委員会は、共同住宅やワンルーム等の建設に関し、近隣住民・自治会と建築・開発行為者が対立する案件に対し、明確な判断や対応が困難な場合も多く、住民組織としての限界があること、よって現況では「横だし」で協議要望を行っている「近隣・自治会への説明・協議」を、まちづくり協定の規定項目に追加する等、その位置づけを明確化する必要があること等を明らかにした。