A time-series saccades analysis of the attraction and compromise effects based on the final decision in multialternative decision making
Takashi Tsuzuki · The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association · 2020
本研究では,多属性-多肢選択意思決定における頑健で非合理的な文脈効果である魅力効果と妥協効果について,その発生メカニズムを詳細に検討するため,眼球運動(サッカード)の時系列解析(4フェイズ)を行った。さらに,従来の研究とは異なり,最終決定がターゲットである試行とコンペティターである試行とを区別して分析した。実験参加者は大学生64名であり,10種類の商品に関する2属性3肢(ターゲット,コンペティター,デコイ)選択課題に回答を求め,TobiiアイトラッカーX120を用いて,選択に至る眼球運動を測定した(サンプリングレートは 120 Hz)。魅力効果条件では,対比較(3種類)とフェイズ間の交互作用の時系列的変動が有意であったが,妥協効果条件ではこうした交互作用は顕著ではなかった。魅力効果条件の第3フェイズにおいて,3種類の対比較の頻度関係が最終決定(ターゲット,コンペティター)によって有意に異なる点が重要である。これらの結果は,生理学的な過程追跡法による計算論的モデルの実証的検討が,多肢選択意思決定における文脈効果の根底にあるメカニズムを明らかにする上で不可欠であることを示唆している。