Analysis of Acute Toxicity (LD50-Value) of Organic Chemicals to Mammals by Solubility Parameter (.DELTA.). (1). Acute Oral Toxicity to Rats.
Hiroshi Nishimura, Shoji Saito, Fumio KISHIDA, Masatoshi Matsuo · Sangyo Igaku · 1994
熱力学的パラメータの1つである溶解パラメータ(δc)を用いて,ラットの経口投与による急性毒性(LD50値)の解析を行った. δcおよびLD50値を共に有する有機化学物質(n=144)およびこれをアルコール(n=29),ケトン(n=7),アルデヒド(n=9),エーテル(n=5),酢酸エステル(n=7)および芳香族(n=84)の6種類の同族体に分けた群内においてLD50 (mmol/kg体重)の対数値とδcとの間に2次の相関(R=0.578, 0.587, 0.962, 0.621, 0.890, 0.670, 0.736)が見られた.関係式にさらに分子容(Vc)を導入し,相関性を見たが改善はできなかった.本研究では哺乳動物における急性毒性(死亡)が,生体膜を通して生体内に取り込まれた化学物質が生体の恒常性を撹乱することによっておこると仮定し,溶解パラメータを記述子とする理論式を導いたが,上述の如くいくつかの同族体および用いた化学物質(n=144)内で良好な相関関係が成立した.また,この理論式からはラットの生体膜(吸収部位)の溶解パラメータのδmとして2.30×104 (J/m3)1/2を求め得た.なお,比較のためQSAR分野で汎用されるlogPにより,用いた化学物質のLD50値の記述を試みたが,相関はなかった(R=0.164~0.443).