2. Holographic Projector

Yuki Nagahama, Tomoyoshi Shimobaba, Takashi Kakue, Tomoyoshi Ito · The Journal of The Institute of Image Information and Television Engineers · 2018

1.まえがき ホログラフィックプロジェクタ 1) とは,ホログラフィの レンズを用いずに光を制御できる特性を用いたプロジェク タである.ホログラフィックプロジェクタはズームレンズ を用いることなく投影画像の拡大,縮小が可能 2) であり, 液晶ディスプレイ (LCD: Liquid Crystal Display) などの表 示デバイスのサイズも小型であることから小型化が期待さ れている.また,レンズの収差の影響をなくすこともでき る.さらに,レンズレスに光を制御可能であることや,ホ ログラムが多重記録可能であることから,複数のスクリー ンに対してそれぞれ異なる映像を投影するマルチプロジェ クション 3) や,自由曲面や傾いた面のスクリーンに対して 全面にフォーカスのあった映像の投影 4) -6) など,既存の プロジェクタでは不可能であった映像投影が理論上可能と されている. 本稿では,ホログラフィックプロジェクタについて,そ の原理や既存のプロジェクタとの違いについて述べる.続 いて,ホログラフィックプロジェクタの実現へ向けた要素 技術や技術的課題を紹介する. 2.ホログラフィックプロジェクタの映像投影 の原理 ホログラフィックプロジェクタによる映像投影はホログ ラムの生成と再生の二つの工程に分けられる.ホログラム の生成は,スクリーン上にある原画像から出る光の波面の 状態から,ホログラム上での光波の波面の状態を回折計算 によって求めることで行う (図 1 (a) ) .ここで生成したホ ログラムに参照光を照射すると,ホログラムが再生され, 生成時に決めたスクリーンの位置に原画像が投影される (図 1 (b) ) . ホログラフィックプロジェクタはズームレンズを用いる ことなく投影画像の拡大,縮小が可能であるが,これは ARSS (Aliasing-Reduced Scaled and Shifted) フレネル回 折 7) とよばれる,フレネル回折 8)

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