Evaluation of Written Narrative Development in Children with Hearing Loss Using the High-Point Analysis Method
Shigehiro Oohara, Eiko Hirota · The Japan Journal of Logopedics and Phoniatrics · 2018
本研究では,7〜11歳の聴覚障害学童44名(平均聴力レベル99.6 dB,1 SD 13.8)の書記のナラティブ産生について,マクロ構造としてハイポイント法を用いて評価し,発達特性と因子構造を明らかにし,さらに,ミクロ構造を解析した.結果,聴覚障害児のナラティブ産生では,低学年で構造に乏しく,高学年で急速にマクロ構造の獲得が進む発達過程にあった.マクロ的側面は,「場面設定」と「物語展開」の2因子で構成され,低学年では後者の因子の使用に乏しく,ナラティブ全体を構想し,効果的に各出来事を組み立てることが困難であり,主要な出来事の列挙により,ナラティブを産生する傾向にあった.ミクロ構造については,マクロ構造の発達と同時期に,平均文長(Mean Length of Utterance: MLU)が高次化する傾向を示した.言語指導では,幼児期から一貫して,多因子で構成するナラティブ構成への展開へ留意し,併せて,語彙の増加と文法知識の向上を図ることの重要性が示された.