Markov Random Fields Applied to Key Finding, Automatic Harmonization and Automatic Counterpoint
Ryuichi Yoneda, Takuya Nishimoto, Shigeki Sagayama · IPSJ SIG Notes · 2005
本研究では、Standard MIDI File, 楽譜等のシンボリックな音楽情報を入力として対旋律、和音、 調等のラベルを付与する汎用的な手法を提案する。このような音楽のラベル付与問題は、音声認識 における言語モデルとの類似性から、マルコフモデル、および生成モデルとしての HMM (hidden Markov models) を適用することが多かった。本研究でも確率モデルを踏襲するが、MIDI、楽譜な どは、縦の和音、横の声部進行等、2 次元的な情報であり、マルコフ連鎖のような一次元的なモデリ ングでは不十分である。このような背景のもと、より広いコンテキストを重視すべきであるという考 えが生まれる。マルコフ確率場 (Markov random field) モデルは、ノード間の関連をエッジであら わす一種の無向グラフモデルであり、エッジを設計することにより広いコンテキストを柔軟に設定で きる。また、マルコフ確率場では我々の持つ音楽的知識を素性関数の設計 (エッジの設計) という操 作に還元することが可能、という利点を持つ。さらに、識別モデルであるという点で HMM とは異 なり、可能なすべての出力系列を入力系列の条件付き確率として求めることができるという点で、条 件付き確率場 (conditional random fields) とも呼ばれる。本研究ではマルコフ確率場モデルに基い たさまざまな音楽情報処理に対するアプローチを論じる。本手法は汎用であり、応用範囲は多岐にわ たるが、本稿では対旋律付け、和声付け、ドミナント定型句の同定、和声解析、調認識に対するアプ ローチを述べる。考えられる他の応用としては、リズム認識、楽曲のパージング、音楽情報検索など 広範囲にわたる。