Palatalized Articulation of (s) Sounds Using Synthetic Speech.
Takayuki Arai, Keiko Okazaki, Setuko Imatomi · The Japan Journal of Logopedics and Phoniatrics · 1995
[s] の口蓋化構音の音響的性質を裏付けるため, 摩擦音を合成し聴取実験を行った.健常男児による正常構音の [sm] において, [s] の部分を次の各モデルによる合成音と置き換えて音声資料を作成した.第1のモデルは帯域通過フィルタであり, 帯域値は一定, 遮断周波数を段階的にシフトさせた.第2のモデルは, 2次の全極型フィルタであり, 極の周波数を段階的にシフトさせた.第3のモデルは, [s] の口蓋化構音に対する高次の全極型フィルタである.各フィルタは, 白色性雑音で駆動した.9人の言語治療士に対して聴取実験を行い, 結果を [s] , [∫] , [s] の口蓋化構音, その他の4項目に整理した.その結果, 第1のモデルは [s] の口蓋化構音の合成に適していないこと, 第2のモデルで合成された摩擦音のうち, 極の周波数が2~3kHzにある場合に [s] の口蓋化構音として聴取される傾向が強いこと, 第3のモデルにおいて2kHz付近に存在する極の帯域幅が500Hz程度, もしくはそれ以下の場合に [s] の口蓋化構音として聴取される傾向が強いことが分かった.