Formic and Acetic Acids in the Marine Atmosphere.
Takaaki MORIKAMI, Shigeru Tanaka, Yoshikazu Hashimoto · NIPPON KAGAKU KAISHI · 1993
1991年7月-9月にかけて,日本から中東ペルシャ湾までのタンカー航路上において海洋大気中ギ酸および酢酸濃度を測定し,ギ酸および酢酸の海洋における濃度分布およびその挙動について検討を行った。海洋大気中のギ酸濃度は平均1.18ppbv,酢酸濃度は平均0.60ppbvであり,ギ酸濃度が常に酢酸濃度より高かった。ギ酸および酢酸ともに,日中濃度が高く,夜間濃度が低くなるという濃度変化を示した。海洋大気中のギ酸および酢酸の発生源としては,対流圏あるいは陸上からの輸送の影響が大きいことが推測された。ギ酸および酢酸の除去機構としては,OHによる気相分解よりも乾性沈着の方が寄与が大きかった。海表面におけるギ酸および酢酸のフラックスを他のガスと比較したところ,一酸化炭素とほぼ同じレベルとなり,炭素循環においてギ酸および酢酸は重要な役割を果たしている。またギ酸および酢酸は大気中から海表面に取り込まれ,海洋における重要な炭素供給源であると言える。