Analysis on DC Lossless Condition of Wavelet Transform

Masahiro Iwahashi, Hitoshi Kiya · IEICE technical report. Speech · 2008

Recently, we have proposed the DC lossless wavelet which guarantees lossless reconstruction of input signals with a constant value (white balance, DC). In our previous report, the minimum word lengths of signals and coefficients are experimentally determined. In this report, introducing the DC equivalent circuit, we theoretically derive conditions on the word length for the DC lossless wavelet. The minimum word lengths are precisely determined according to our analysis. Keyword Lifting Wavelet,Lossless Coding,White balance,Rounding Error 1. はじめに JPEG や MPEG などの国際標準に準拠した圧縮符号 化方式は,ディジタル画像の伝送蓄積技術のグローバ ルな発展にとって欠かせない [1,2].これらの方式は離 散コサイン変換(DCT)を採用しており,DVD や MP3 に代表されるように,現代社会に広く普及している. 近 年 , デ ィ ジ タ ル シ ネ マ の 標 準 方 式 と し て JPEG-2000 が採用された [3].これは DCT に代わりウェ ーブレットを採用しており [4,5,6],高精細画像を扱う ことから,変換回路の省電力小型化を目指した演算処 理の簡素化が研究されている [7]. ディジタル演算回路では,乗算係数や信号の値は有 限の語長で二進数表現されており,語長低減が演算処 理の簡素化に有効である.このため,これまでに多く の語長低減法が研究されてきた [8-11].しかし,その 代償として一般に再生信号に誤差が重畳する. 例えば JPEG-2000における 5/3ウェーブレットでは, リフィティング構成により誤差が順変換と逆変換の間 でキャンセルされるため,信号の可逆再生が保証され る [5,6].このため,可逆符号化として利用される [4]. 一方,9/7 ウェーブレットでは,より高効率な圧縮 が可能であるものの,スケーリングの存在により一般 には信号の可逆再生が保証されない [8].このため,量 子化を併用して非可逆符号化として用いられる [4].し かし,ホワイトバランスのような定数信号(以下,DC 信号)により撮像装置や表示装置を調整する場合 [13], 符号化装置の影響を無視できるよう,DC 入力信号が 可逆的に再生される必要がある. 著者らは先に,9/7 ウェーブレットとの互換性を保 ちつつも,DC 入力に対して可逆再生を保証できる, DC ロスレス・ウェーブレットを提案した [12].また, このとき必要となる最小の語長を実験的に求めた.誤 差分散に基づく L2 ノルム解析により最小語長を導出 すると [9],近似的な値は得られるが可逆再生は保証さ れない.誤差の最悪値として L∞ノルム解析を行うと [10],可逆再生は保証されるが過剰な値が得られる. これらの統計的手法では,必要最小語長を特定の入力 値に対して個別に求めることはできない. 本報告では,DC 信号が入力された場合のウェーブ レットの等価回路を導き,非統計的な手法により丸め 誤差を解析することで,DC 信号の可逆再生(以下, DC ロスレス)のための,乗算係数の語長に対する条 件(以下,係数語長条件)および信号の語長に対する 条件(以下,信号語長条件)を理論的に導出する.こ れにより,DC ロスレスに必要となる最小の語長が, 個々の入力値に対して過不足なく求められる. 以下,2.では議論の準備として DC ロスレスおよび 乗算係数や信号の語長を定義し,有限語長化に用いる 丸め演算の性質をまとめる.3.では,乗算が写像不変 となるための係数語長条件を導く.4.では,ウェーブ レットの DC 等価回路を導出することで,信号語長条 件を明らかにする.5.では,これらの条件から DC ロ スレスに必要な最小語長を求め,L2 ノルムや L∞ノル ムによる解析結果と比較する.

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